よくある質問 Q&A

オーストラリア特許出願に関するよくある質問

 

出願時に必要な書類は何ですか。

特許協力条約 (PCT) に基づく国際出願のオーストラリア国内移行 (優先日から31カ月以内)

  • PCT国際出願番号 (それ以外の情報はWIPOから入手可能)
  • 国際出願の英訳文 (国際段階において提出された補正を含む)及びCertificate of verification (翻訳証明書、原文を正確かつ完全に英訳したとの翻訳者による宣誓書)

 パリ条約に基づく優先権の主張を伴う出願

  • 出願人の氏名および住所
  • 発明者の氏名
  • 英文明細書
  • 基礎出願 (複数ある場合はすべて) の出願番号・出願日・出願国

 

出願後、必要になる書類はありますか。

オーストラリアでは、審査請求の際、「Statement of Entitlement」(出願人が発明者から特許を受ける権利の譲渡を受けた事実関係を説明する書類)を提出する必要がありますが、2013年4月の特許法改正で、当事務所で証明できる汎用文書で提出可能となり、正式に査定される前に提出する必要があった「Notice of Entitlement」は不必要となりました。

2013年の特許法改正前に審査請求した特許案件に関しては、特許査定を受けるための審査報告書への応答の際、この書類の提出が必要となることもあります。さらに詳しくはこちらをご覧ください。

優先日が問題となる場合、審査または異議申立手続きの期間中に審査官から優先権証明書とその英訳文が求められる場合があります。出願人にはこれらの書類を提出するための妥当な期限が設定されます。

 

イノベーション特許とは何ですか。

オーストラリアには、標準特許に加え、イノベーション特許という制度があります。日本の実用新案に類似していますが、保護対象と特許要件が異なります。イノベーション特許では、方法や化合物、ソフトウェアやビジネス手法など、広範囲の対象を保護することが可能です。特許要件は通常の特許とほぼ同じですが、進歩性 (inventive step) の代わりにイノベーティブ・ステップ (innovative step) が求められます。イノベーティブ・ステップは進歩性よりも判断基準が低く、先行技術と比較して発明の実施に実質的な相違点があれば基準を満たすとされます。

また、イノベーション特許では、独立クレーム1つを含む、合計5クレームまでしか記載できません。特許存続期間は8年で、実体審査なしで登録になります。ただし、権利行使をするためには、実体審査を行い、「証明 (certified)」される必要があります。

PCTルートの場合、PCT国際出願から直接イノベーション特許出願としてオーストラリアの国内段階に移行することはできず、国内段階に進んだ後に標準特許出願からイノベーション特許出願へ変更することになります。

 

グレース・ピリオドはありますか。

あります。発明者や出願人自身によって (または発明者や出願人の同意を得て) 公然の実施や文献の公開が行われた場合、一定の条件のもとで、12カ月のグレース・ピリオドが適用され、自己の発明が新規性を失う理由にはなりません。つまり、パリ条約ルートのオーストラリア出願やオーストラリア移行予定のPCT国際出願は、最初の公然実施の開始から12カ月以内に出願する必要があります。なお、グレース・ピリオドの利用は緊急事態に限ることをお薦めします。

また、オーストラリアには出願人に有利な規定があり、出願人や弁理士による誤記や欠落がある場合、修正を行うために必要な期間の延長が認められます。万が一、重要な期限を逃してしまったときも同様です。

 

オーストラリアにおける新規性はどのようなものですか。

2002年4月1日以降のオーストラリア特許出願には、絶対的新規性 (absolute novelty) が求められます。上記グレース・ピリオドにより除外される自己の公開を除いては、出願日より前に国内外において文献または実施によって公衆に利用可能となった発明には特許付与されません。

また、優先日より前に出願され、かかる優先日より後に公開されたオーストラリア出願もしくは移行予定のPCT国際出願に関する場合は、進歩性ではなく、新規性による拒絶になります (whole of contents による新規性拒絶)。

さらに、オーストラリアで複数の引用文献を組み合わせて新規性違反として拒絶するためには、各文献の間に明白な相互参照 (cross-reference) 、もしくはその組み合わせについての示唆や動機の存在が必要です。

 

特許発明の対象にはどんなものがありますか。

オーストラリアは保護対象が広く、以下の対象も含まれます。

  • 治療方法
  • スイス式クレーム
  • ソフトウエアおよびビジネス手法
  • プロダクト・バイ・プロセス・クレーム(product-by-process claim)
    ※ 新たな方法で製造された既知の化合物に対する物クレーム

なお、人間およびその生成に関する生物学的方法は保護対象からは除外されており、DNAそのものは特許の対象外となっています。

 

主な期限にはどのようなものがありますか。

まず、出願人は出願日から5年以内に審査請求をする必要があります。ただ、IP オーストラリア (特許庁) は出願人に対し審査請求を促す指令を出すことができ、実際の業務では、出願から1~2年以内に指令が発行されます。その場合、出願人は指令日から6カ月以内に審査請求をしなければなりません。

審査報告書の発行後、12カ月の期限が設けられ、その間に審査官から出された拒絶理由を覆して解消する必要があります。この期間には、審査官が応答を検討し必要とあらばさらなる審査報告書を発行、また、それに対して出願人からさらなる応答をする時間も含まれます。

もし、この12ヶ月の間に特許査定されない場合、分割出願をして係属の状態を維持することができます。

 

審査請求指令が発行される前に審査を請求することはできますか。

はい、審査請求指令が発行される前に任意で審査請求を行うことが可能です。また、早期審査を要請することもできます。

 

修正審査 (Modified Examination)について。

 

修正審査とは、オーストラリア出願の対応外国出願が、米国、欧州特許条約締約国、カナダ、またはニュージーランドにおいて、英語にて出願され、特許査定されている場合に限り、その特許の内容と同一になるように補正して審査するもので、この場合、ほとんど自動的に特許査定が受けられたのですが、これはもはやできなくなりました。修正審査にかわるものとしてGPPHがあります。この制度のご説明は下の最終項をご覧ください。

 

情報開示義務はありますか。

ありません。情報開示義務は2007年10月に撤廃されました。ただし、外国特許庁による調査結果や引例文献を開示する必要はありませんが、クレームが無効であることを認識していながら適切な期間内に補正しなかった場合、訴訟段階で特許を有効にするために補正しようとしても、それができない可能性があります。

 

できるだけ早く権利化する必要がある場合、どのような方法がありますか。

早期権利化を望む場合、出願後すぐに審査請求を行い、それと同時に早期審査の請求を行うことをお勧めします。その時点で対応外国出願が英語にて出願され、特許査定されている場合は、その写しも提出します。査定された内容にあわせてクレームの補正をするか、もし別のクレームが適切である場合にはその理由を説明します。

オーストラリアもGPPH (グローバル特許審査ハイウェイ) の参加国ですので、日本ですでに特許査定されている特許出願、あるいは、すくなくとも一つのクレームがISRまたは IPRPの調査報告で特許性ありとされているPCT出願であれば、オーストラリアでの対応出願は早期に特許権の設定登録をすることが可能です。GPPHでの審査請求は、最初の審査報告書が出される前にする必要があり、GPPHでは自動的に優先され早期審査されます。